こんにちは。BAREN(バレン)のmayumiです。
東大病院内の「FOR AC(フォーエーシー)」でBAREN(バレン)商品の試着・購入が可能になりましたが、早速BAREN(バレン)の試着に多くの方が足を運んでくださっているそうです。
ご購入前に試着していただける場を設けられたのはBAREN(バレン)にとっても大きな一歩だと思っています。
そこで今回は、がん患者さんへのアピアランスケア(外見ケア)を提供するFOR ACの代表、山本公生(やまもと きみお)さんにインタビューをさせていただきました。
FOR ACのことやアピアランスケアについて、色々とお話をお聞きできたらと思っています!
Q.山本さん、こんにちは!山本さんの経歴を簡単にお聞きしたいです。
こんにちは。
ぼくは美容師なのですが、現在金沢でHANABUSA(ハナブサ)という美容室を6店舗経営しています。他にも海外で職業訓練ボランティア活動をしたり、国内外で色々と活動をしています。
その関連で、増毛薄毛ケアに特化した「HANABUSA CO+MEDICAL(ハナブサ コメディカル)」という店舗も展開しているのですが、個室でお客様ひとりひとりのお悩みに寄り添うスタイルなので、抗がん剤治療による脱毛、医療用ウィッグのご相談も何件かいただいたんです。
その時は専門外で知識もなかったのでお断りする形になってしまったのですが、今思えばその時はじめて、抗がん剤による脱毛や医療用ウィッグを意識し始めたように思います。
Q.その時はお断りしていたんですね。通常美容室では、脱毛や医療用ウィッグのケアはできないのですか?
ほとんどの美容師が嫌がるのが現状だと思います。抗がん剤などによる脱毛に対する知識もないですし、医療用ウィッグは高額商品なので、もしカットなどで失敗してしまったら弁償する可能性もある。そういうリスクを抱えているので断ってしまうケースの方が多いと思います。
自分たちも当時はお断りせざるを得なかったのですが、脱毛や医療用ウィッグの扱いに悩む方たちがいく場所がないのではと、常々思ってはいました。
Q.そういう患者さんに出会ったことでアピアランスケアに興味を持たれたんですか?
実際アピアランスケアについて深く知ったのは、東大病院乳腺外科の医師で「アピアランスケア」研究の第一人者である分田貴子先生にお会いしたことがきっかけでした。分田先生はがん治療における外見上のケアの重要性に気付き、アピアランスケアを広めようとしている先生です。カバーメイクや医療用ウィッグ、ケア帽子、ネイルなどの知識を色々と教えていただきました。
そして知識が増えていくにつれ、自分をはじめとする美容師は髪の毛のプロなはずなのに、この分野においてはなにもできていなかったなという気持ちが強くなってきました。
Q.今までお断りしていたお客様と、アピアランスケアがその時繋がったんですね。
そうです。外見の変化を見守ってサポートする役割の人間や、そういう場所がないのは自分たち美容師の責任だと思い、美容と医療の融合ができないかを考え始めました。
治療を行うプロは医師で、医療用ウィッグを作るプロは医療用ウィッグのメーカーですが、医療用ウィッグのヘアスタイルやデザインを提案するプロは美容師であるべきだと思うんです。これは誰かがやらなきゃいけない使命だと思い、アピアランスケアという領域に取り組み始めました。
Q.アピアランスケアに取り組み始めて心がけていることはありますか?
アピアランスケアにおいて重要なことは、安心感を感じてもらうことだと思います。
抗がん剤治療による脱毛が始まる前の患者さんはとにかく不安ですよね。医師から「これから脱毛がはじまるので準備しておいてください」と言われても、どのタイミングで自分がどういう変化をしていくのか、実際に何をどう準備していいのかもわからない。
そういう時に、「ウィッグが必要だって言われましたか?抗がん剤治療をはじめるとこういうタイミングで脱毛がはじまるからゆっくり選びましょう」とか、「絶対にまた生えてくるから大丈夫です」とか、「副作用で髪が抜けているのは抗がん剤が効いている証拠ですよ」ってアドバイスしてくれるプロがいればかなり安心できると思うんです。
そして、その安心感があってはじめて、QOL(クオリティオブライフ)の向上やおしゃれを楽しもうという気持ちにつながる。
アピアランスケアってただ単に「医療用ウィッグを買ったから終わり」ではないので、脱毛や発毛のタイミングで調整が必要な時や、それこそ美容室と同じく気分を変えたい時などにも気軽にきていただけたらいいなと思っています。ここにくれば大丈夫!と思えるような安心感を感じていただけたら嬉しいですね。
Qお客様に接する時に心がけていることってありますか?
お客様にとって、自分がどういう立場でいるべきかは常に意識しています。
FOR ACのお客様が必要としているのは、「一緒に悲しんでくれる人」ではなく「解決策を教えてくれる人」だと思います。そういう存在であるためには、技術力はもちろん、あらゆる知識の引き出しを駆使してお客様に向き合う必要があります。結果的に解決できたかが重要なのではなくて、寄り添いながら不安や問題を解決に導こうとする姿勢でありたいと心がけています。
Q.FOR ACの今後の展望についてお聞きしたいです。
ひとつめは、FOR ACのフランチャイズ展開です。
FOR ACが提供するアピアランスケアを「医療」+「美容」=「美療」と定義しているのですが、最終的に200店舗まで増やすことで、この「美療」を全国の患者様に受けていただけるようにしたいと思っています。
医療用ウィッグのケアなどの技術だけではなく、病気に関する知識などの座学を含めたアピアランスケアの講習を行い、受講した美容師にディプロマ(証書)を発行しています。現在すでに10サロンのフランチャイズが立ち上がっていますが、「FOR AC」という名前をみただけで「アピアランスケアサロン」であると理解してもらえるよう、知名度をあげていくことを目指しています。
ふたつめは、この東大病院内のFOR ACのような病院内の店舗を増やしていきたいという目標です。病院内にあれば診察のついでに立ち寄れるので、患者さんにとって一番親切で敷居が低くなりますよね。この東大病院を皮切りに多くの病院内にFOR ACを構え、アピアランスケアがより患者さんにとって身近なものになればと思っています。
Q.BARENの取り扱いをしようと思った理由を教えてください。
パンフレットを見て、「これは!」と思いすぐに連絡をしました。
BARENのデザイン性や快適性がすばらしいのはもちろん、FOR ACとBARENの理念が近いのでお客様にご紹介しやすいと思ったんです。
FOR ACは「治療中もおしゃれを楽しみたい。」「いつまでも自分らしく生きたい。」という想いに応えるために、患者さんの悩みに合わせた外見ケアを提供しています。外見の変化は心に大きな変化を与えるので、おしゃれをすることで誰かと自然に笑いあえる幸せを取り戻すことができると思っています。
BARENは、Mayumiさんが子宮頸がんの治療中に「もっと快適でオシャレなウィッグや帽子が欲しい」と感じたことから誕生したプロダクトだと聞きました。だからこそ、どんな商品だったら治療中でも笑顔になれるか、考え尽くされているんです。
そんなBARENがあれば、治療中も、むしろ脱毛前よりもおしゃれをしたいと患者さんに思ってもらえると思いました。
Q.ありがとうございます!今後BARENと一緒に進めていきたいことってありますか?
BARENさんと全国制覇したいですね!フランチャイズで全国に店舗を増やすことで、どの地域にいてもアピアランスケアを受けられる環境を作りたいです。
すでにたくさんの反響があるので今後BARENの試着がしたくてきてくださるお客様もどんどん増えていくでしょうし、お互いお客様を呼び合って成長していけたらと思っています。